2017年3月の記事
漁業資料室のお宝 錨
漁業資料室のお宝 ハエナワ(延縄)とナワザル
漁業資料室のお宝 電動油圧操舵機
漁業資料室のお宝 レーダー
小中野小学校漁業資料室のお宝を紹介します。
「レーダー」
レーダー(Radar)は、Radio Detection And Rangingから作られた言葉です。指向性空中線から放射されたマイクロ派のエネルギーが、目標物に当たってはね返ってくるのを送信と同じ場所にある空中線で受信し、その電波の往復の伝搬時間から目標物までの距離を測定することができる装置です。レーダーが一般船舶に使用されるようになったのは、昭和20年代であり、歴史的にはまだ50年くらいですが、現在ではいろいろな船舶に欠かすことのできない装置になりました。船舶にレーダーが普及した最大の原因は,PPI(Plan Position Indicator 平面位置表示器)と呼ばれる表示方式にあるといえます。これによって、自分の船の回りの船や海岸などが、画面に地図のように表示されます。船舶用レーダーに使用されている周波数は次のとおりです。10cm波帯3000~3446MHz(Sバンド)5cm波帯5460~5650MHz(Cバンド)3cm波帯9320~9500MHz(Xバンド)が使用されています。これらの周波数の違いは次の通りです。波長が短くなるにつれて、同じ大きさの空中線では鋭いビームの電波を発射することができるので、方位分解能力(同じ距離にある2つの小さな目標を見分ける最小角度)がよくなり、きめ細かい映像をつくることができます。また、小さな目標からも反射が得られるので、小さい物を見落とすことも少なくなります。これに対して、長い波長は雨などによる減衰や、反射および海面反射が少ないので、天候に対する妨害が少なくなります。一般的には3cm波帯のレーダーが最も多く使用され、10cm波帯が使用されるのは3cm波帯に比べて多くはありません。5cm波帯は特殊な例があるだけです。3cm波帯のレーダーの特徴は、晴天時における最大探知距離、最小探知距離および方位分解能力などの性能が総合的に優れています。10cm波帯のレーダーの特徴は、悪天時における海面反射による妨害の影響が少なく、降雨時における電源の減衰が少ないので悪天候時の性能が優れています。最小探知距離(船の近くの目標物をどこまで弁別できるかの性能です。)および距離分解能力(同じ方位にある互いに接近した2つの小さな目標物を分けて見える距離です。)はレーダーの送信パルスの幅に主として関係しています。
漁業資料室のお宝 航行衛星用受信装置
小中野小学校漁業資料室のお宝を紹介します。
「航行衛星用受信装置」
航海衛星「トランシット」として知られているアメリカ海軍の航行衛星システムは、1964年以来軍事用として運用されてきましたが、1967年7月、アメリカ大統領の決定により民間用として利用できるようになりました。人工衛星を航海に利用しようとする発想は古くからありました。各種の電波航法システムは、オメガを除いて全世界の全ての海域で利用できるものはなく、たとえ多くの発信局を配置したとしても、陸地の所在の関係上全世界を有効範囲にすることは難しいとされています。地上で上空を飛ぶ人工衛星の軌道を観測し決定する方式の一つにドップラー追跡法というのがあります。これは衛星上に安定な周波数を送信する送信機を置き、地上でその電波の受信周波数を測定すると、衛星が地上の局に近づいてくるときは受信周波数が高く、遠ざかるにつれて低くなります。いわゆるドップラー周波数偏移を生じ、その値が衛星と観測点との間の距離の変化率になります。逆に、軌道のわかった衛星からの電波のドップラー周波数を測定すると、今度は地球上の受信点の位置が求められるだろうというのが、アメリカ海軍の方式の開発のきっかけになりました。