小中野小学校ブログ

漁業資料室のお宝 航行衛星用受信装置


小中野小学校漁業資料室のお宝を紹介します。

「航行衛星用受信装置」
航海衛星「トランシット」として知られているアメリカ海軍の航行衛星システムは、1964年以来軍事用として運用されてきましたが、1967年7月、アメリカ大統領の決定により民間用として利用できるようになりました。人工衛星を航海に利用しようとする発想は古くからありました。各種の電波航法システムは、オメガを除いて全世界の全ての海域で利用できるものはなく、たとえ多くの発信局を配置したとしても、陸地の所在の関係上全世界を有効範囲にすることは難しいとされています。地上で上空を飛ぶ人工衛星の軌道を観測し決定する方式の一つにドップラー追跡法というのがあります。これは衛星上に安定な周波数を送信する送信機を置き、地上でその電波の受信周波数を測定すると、衛星が地上の局に近づいてくるときは受信周波数が高く、遠ざかるにつれて低くなります。いわゆるドップラー周波数偏移を生じ、その値が衛星と観測点との間の距離の変化率になります。逆に、軌道のわかった衛星からの電波のドップラー周波数を測定すると、今度は地球上の受信点の位置が求められるだろうというのが、アメリカ海軍の方式の開発のきっかけになりました。


2017/03/30 18:00 | この記事のURL漁業資料室