未来への架け橋講座②
未来への架け橋講座の通常版2回目をホームグラウンド
である図書室で行いました。
講師を務めてくださるのは、地域にお住まいで、現在は
「合同会社ふれ愛プラザあおば」で職業指導員として、
活躍なさっている「向平利晃」さんです。
「ふれ愛プラザあおば」は「就労継続支援B型事業所」
にあたるらしく、いろいろな障害をお持ちの方を、支援
している施設だそうです。障害はあるけれど働きたい。
自分にできることは何かないか。利用される方々の思い
に応えるかけがえのない仕事です。

仕事内容は大きく3つに分かれ、簡単に言うと、
① 受託作業 … 一般の企業から委託された作業。
② お菓子作り … ケーキやシュークリーム作り。
③ 商品作成 … オリジナル商品の開発と制作。
という内容になるのだとか。
利用者の方々は、障害によってこれはできるけどこれは
できない。こういう作業は苦手だけれども、こんな作業
なら得意である。というように、それぞれ特性をもって
いる。だから、得意なものを伸ばすことで、苦手なもの
を補い合えるのだそうです。
生み出された作品をいくつか紹介してくださいました。
「万年カレンダー」「流木を使ってのクリスマス飾り」
「特注サイズのランチョンマット」そして、お店一番の
ヒット商品だというヒバを使った消臭剤「ひばポンッ」
などなど、数多くの作品を生み出しているとのこと。
アイディアがすごいですね。それよりも何よりも…、
作品を生み出すことへの「思い」に感動です。
「こういうの作ってくれたらうれしいよね。」という、
「人々の願いに応えたい」。応えることで「人の役に
立つことができる」「地域に貢献できる」「人を喜ば
せることができる」。その思いで取り組んでいるのだ
という話を聞き、胸が熱くなりました。
胸に染み入る話が多いのが印象的でした。利用者の方
との心のつながりと、この仕事に対する誇りにも似た
使命感からくるものだろうと感じました。
「職業指導員をしていて、教えることよりも学ぶこと
の方が多かった」
「人間は見てきたもの、学んできたものでしかものを
伝えられない。だから皆さんには、とにかくいろん
なものに触れてほしい。見聞きしてほしい。経験し
てほしい。学んでほしい。自分はそう思えるように
なって、楽しいと思えるようになった。」
「こういう仕事をしているからこそ、自分たちももっ
と外に出ていかなければならない。多くの人を受け
入れなければならない。」
「町中を、障害を持っている人もそうでない人も、当
たり前に普通に行き交っている。そういうのとって
もよくないですか。」
「春夏秋冬って素敵ですよね。春があるから秋の良さ
が余計に感じられる。夏があるから、冬には冬の良
さに余計に感動できる。辛い時があるから、喜びが
より大きなものになる。」
「出会いを大切にしてほしい。」
数々の言葉が胸を打ちました。
生徒たちも、すっかり聞き入ってしまって、質問タイ
ムになっても、いつになく放心状態のようでした。
少し間をおいて一人の生徒の「一日の平均利用者数は
どれぐらいですか」という質問を皮切りにして、いつ
もよりもさらに深まりのある質問が相次ぎました。
リーフレットの表紙にある
「ともに学び ともに笑い そして ともに生きる」
そんな社会の実現を心から願います。
そう感じさせてくださる1時間でした。
本当にありがとうございました。
地域企業と地元大学の見学会
昨日の大雨で落葉がまた進みました。
その余韻が残る秋の深まりの中、2年生はコロナ禍で
失われた職場体験活動の機会を補うチャンスを頂き、
地元企業と大学で社会見学・体験活動を行いました。
支援・サポートをしてくださったのが、
『NPO法人Ren』の皆様です。
中学生が地域企業や地元大学等の状況や魅力に触れる
ことができるようにと、様々な連絡調整等を引き受け
今回の取り組みをコーディネートしてくださいました。
ありがとうございました。
朝の出発の様子です。
前に四人並んでいらっしゃるのが、本日帯同してくだ
さることになった『NPO法人Ren』の方々です。

学年主任のお話、校長先生のお話のあと、元気よく
「いってきます!」の声を残して出発しました。
2台のバスに分かれ、午前の見学地へ向けて出発。
A班は「八戸液化ガス株式会社」へ
B班は「旭光通信システム株式会社」へ
それぞれの見学先へ移動します。
【八戸液化ガスグループの様子】
給湯器の深層部にある部品を、解体して探す作業を
生徒が挑戦。しかも競争。コナ中生なら間違いなく
確実にそして絶対に燃えるイベントですね…。
他にも、消火実験、配管修理などなど様々な活動を
させてくれたり、見せてくれたり、とにかく物凄い
力の入れようだったとか…。
【旭光通信システムグループの様子】
初めて耳にする社名の生徒も多かったはずですが、
聞くところによると、日本の高速道路で使われて
いるあるシステムのうち、6割のシェアを占める
超がつく程の優良企業なのだとか。そんな会社が
身近にあったんですね。
午前の部を終えて、一行は一路八戸工業大学へ…。
着いたらまずは、大学の学生食堂でお昼ごはん…。
ちょっとした大学生気分を満喫し、いよいよ見学。
2班に分かれて、構造棟見学・ロボット実験見学、
感性デザイン学科でパッケージデザイン作成体験、
などなど貴重な体験をしてきました。
【八戸工業大学の見学の様子】
子供たちは、実際に牛乳パックのパッケージ作りに
挑戦してみたり、コンクリートの強度を測る実験を
見学したり、ロボットのプログラミングについての
説明を受け、スマホに音声で指示を出して、実際に
ロボットを操作してみたりなど、数々の体験をする
ことができました。今は地球の裏側からでも、音声
だけでロボットを操作することができるのだとか。
科学技術の進歩は目覚ましいですね。
充実の見学や体験を終え、学校へと向かいます。
15時20分過ぎに到着した頃に、雨がパラパラと
降り始め、帰校式は体育館に変更になりました。
帰ってきた生徒の中には、「キクラゲ」をお土産に
いただいてきた生徒、約半数。ご満悦の表情です。
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『NPO法人Ren』の方々に感謝の言葉を伝え、
法人の方からは、この活動に込めた願いが語られま
した。最後に、学年主任から「グッジョブはやれな
かったけれど、実際に、社会や外の世界を体験する
ことができて、本当に良かった…。」というお話が
ありました。言葉に実感がこもっていました。
貴重な経験ができました。
協力してくださった、Renの皆様、各企業の方々、
大学の先生方や学生の皆様に、心から感謝感謝です。
いのちを育む教育後援会
11月9日(火)雨空
雨模様というには、朝からぱらぱらと雨が落ちています
から、雨空と言ったほうがふさわしい薄暗い空です。
そんな日でも元気なコナ中男子には関係ないのでしょう
今日の昼休みも校庭から元気な声が響いています。
雨雲を吹き飛ばしそうな勢いですが、さすがに今日の雲
ばかりは吹き飛ばせそうにありませんね。おやつ時から
降り始めた雨は、宵の口には本降りになりそうです。
今日は、「いのちを育む教育講演会」が行われました。
講師:後藤高志 氏(すわクリニック産婦人科医)
演題:『思春期のこころとからだ
~いのちとからだの大切さ~』
50分足らずの短い時間ではありましたが、けっこうな
早口で相当な枚数のスライドを使い、途中にユーモアも
交えながら、丁寧に性をとりまく様々な問題点や危険性
について、真摯に話してくださいました。
以前もお話を聞いたことがありますが、確かその時には
「今のうちは手をつなぐ程度にしておいた方がいい」
ということをおっしゃっていたのを覚えています。その
考えには私も賛同します。人を好きになるのは尊いこと
です。人を好きななることで、自分を磨くことができる
ならそれに越したことはありません。生徒の皆さんには、
本物の「いい男といい女」になってほしいですから。
優しいしゃべり口でしたが、最後に見せてくださった、
ドキッとさせられるような写真に後藤先生の込めた強い
メッセージを感じました。
「命の重さを伝えたい!」
それが、後藤先生の熱い思いであり願いなのでしょう。
性の問題は確かに相手を大切に思う気持ちの問題ですが
恋愛の問題以上に命の問題であることを、我々は決して
忘れてはいけませんね。
大人になってから、本当に大好きな人と! です。
軽はずみな行動は、絶対にいけませんね!
生徒を代表して生徒会役員のSさんがお礼を述べました。
そして、全員で元気な挨拶をして講演会を終えました。
第2回生徒総会
今日も秋晴れです。朝晩は冷えますが、日中は
穏やかな日差しが降り注いでいました。
昼休みは、校庭に元気な声が響いています。
午後は第2回目の生徒総会が行われました。
2回目は前期活動反省と後期活動計画が一度に
話し合われますから、少し時間がかかります。
議長が選出され、議事進行が始まります。
【1号議案】
生徒会本部の前期活動反省及び後期活動計画
【2号議案】
各常任委員会の前期活動反省・後期活動計画
8つある常任委員会の委員長が前期の反省と
後期の活動計画を発表しました。
3学プロの活動目標は前期を踏襲し、
「Bridge~努力も積もれば照る橋となる~」
2学プロは活動目標は踏襲しながらも、
重点事項にスローガン性の色濃い言葉を採用し、
「Change & Up」を掲げたうえでの具体目標。
1学プロは目標を具体的堅実路線で攻めながら、
12月の活動計画にある、「家キャン」という
とても目を引くキャッチ―なキャンペーン実施
するとのこと。(家でやろうキャンペーン)
らしいのですが、「ユーキャン」と重なる
「CAN」という響きに、
「自分たちはやればできるんだ!」という願い
のようなものを勝手に感じて、
こういうのいいなあと感心していました。
さて、各委員会への質問の様子です。
図書委員会へ質問や意見・要望が殺到しました。
もちろん、ほかの委員会へも多数の質問や要望が。
感心したのは、発言者が学校生活の課題や問題点
を示した上で、意見や要望として発言するケース
が多かったことでしょうか。感心しました。
【3号議案】
・全校あいさつ運動について
・いじめ根絶について
・思いやり提言について
・万引きしま宣言について
時間短縮と感染予防のために、宣言等の唱和は
自粛です。以上で議事は終了しました。
議長団が解任され、議事録が読み上げられます。
ここまでが第1部でした。続いて…
第2部へと続きます。全校での話し合いです。
『自分たちの生活を自分たちの力で改善していく』
そんな生徒会を目指しての取組です。
アンケートの集計結果からテーマが発表されました。
この後の話し合いの隊形が、場所のレイアウトの形で
スクリーンに映し出されて示されます。
今年度、全校で話し合うテーマは……。
「時間厳守について」
なかなかお堅いテーマです。
リーダー役の人が先に移動し、目印となります。
その後、一斉に全校が移動しました。なかなか
スムーズに進みます。その様子がこちらです。
グループを作ったら、早速話し合いです。
テーマに関する学校生活の中で見られる課題と、
課題克服のための取組について15分間ほどの
話し合いの時間がもたれました。
4~5人の班員が車座になり意見を交わします。
班長役の人が、ワークシートにまとめていきます。
あっという間に15分が過ぎていきます。
発表です。29班ある班の代表が話し合った内容を
次々と発表していきます。全部の班が発表を終えた
ところでタイムアップ。今日の話し合いの結果は、
生徒会本部が集計し、生徒会だよりなどを通して
後日全校生徒に伝えるとのこと。楽しみですね。
最後に、校長先生が今日の話合いの様子を
総括してくださいました。話し方、聴き方、
それぞれとてもよかった。寝ている人など
いないのはもちろんのこと、メモをとって
総会に参加している生徒の姿まであった。
図書委員への質問等が多かったが、それは、
図書室への関心の高さの表れだ。どんどん
利用してほしい…、などなどたくさん褒めて
くださいました。うれしいですね。
2時間にわたる話合い活動も終わり、全員で
ビシッと美しい挨拶で締めくくりました。
窓の外の公園は、地面がすっかり落ち葉に覆われ
オレンジ色の絨毯が敷きつめられているようです。
日に日に、冬が近づいているのを感じます。
明日は、いよいよストーブの試運転を行います。
3学年親子進路説明会を「聴く」「菊」
陽差しはありますが、雨雲もまた広く空を覆っています。
桜やナナカマドの赤く色づいた葉はほとんど落ちました。
イチョウの黄色い葉だけが、今も色濃く茂っています。
今日は午後から3年生の親子進路説明会が行われました。
近年、学科の再編や統廃合で変化が目まぐるしいですね。
近い所では、五戸高校の閉校式の記事が新聞に掲載されて
いました。千葉学園高校も来年度の生徒募集から総合ビジ
ネス科が普通科に学科変更されるようです。工大二高も、
わかりやすく3つのコースに整理されました。工大一高も
入学時は一括募集で、進級と共に細分化されていきます。
説明会では、最新の高等学校の募集人員の説明から始まり
青森県立高校、及び国立高専や私立高校についての細かな
入試要項の説明が行われました。
そして、受験校決定までの流れ、受験校決定から入試まで
の流れが示され、最後に手続等に関して話がありました。
それでは、本日の様子です。
準備の様子と保護者の方々の入場の時の様子です。体育館
の入り口には、新しい顔認証型のデジタルサーモセンサー
が設置されていて、一人一人にあいさつ代わりのように、
「正常範囲内です」「正常範囲内です」と、繰返し繰返し
保護者の方一人一人にお知らせしています。おかげで…、
入口に、きれいな人の列が自然にでき上がりました…。
入場も完了し、いよいよ始まります。
保護者も生徒も真剣にS主任の言葉に耳を傾け、
資料に目を落としながら、聞き入っています。
群分け方式の選抜方法の説明でしょうか。学力検査と
調査書の点数がグラフ化されて映し出されています。
もっとも気になるところかもしれませんね。
受験もいよいよ本格的にシーズンインですね。
プロ野球でいうなら、今日が開幕試合のプレーボール。
マラソンなら、一斉スタートの号砲がなったところ。
私はそう考えています。受験当日なんて、プロ野球に
たとえるなら、135試合あるシーズンの最後の5試合
程度のものです。マラソンでいうなら、40kmを過ぎ
最後に国立競技場に戻ってきたぐらいのものです。
そこに至るまでの全てが受験本番です。真剣勝負です。
受験当日までのレースで、大体の勝負はついていると、
考えた方がいいのです。それでも、終盤までもつれる
戦いもあります。予選突破ラインぎりぎりを走る選手
もいれば、クライマックスシリーズ進出を、ぎりぎり
まで何チームかで争うこともあるのですから。
野球や陸上の例えはわかりずらいかもしれませんね。
進路説明会が始まるころから、
雨雲が広がっていた空が、急に明るくなってきました。
いつの間にか、秋晴れです。お隣にある公園の景色も、
すっかり秋の深まりを感じさせますね。
さらに、空が青さを増しましてきました。
自衛隊の飛行機が、轟音を立てて通り過ぎていきます。
八戸の秋を彩るのはやっぱり「菊」ですね。
校長室の前には学校の外に咲いている菊が、
きれいに生けられています。
そして、玄関には……、
玄関入り口にも見事な菊が並んでいます。これは予備
として、技術のJMJ先生が栽培したものだとか…。
実は昨日まで、もっと色とりどりの菊がズラリと…。
技術の時間に栽培した見事な菊の花が、下足箱の上に
並んでいます。きっと、持ち帰られる前のものですね。
みんな、大きく立派な花を咲かせています。
3年生も受験と向き合うその先で、この菊に負けない
ほどの大輪の花を咲かせてくれるに違いありません。
ガンバレ3年生。
後期認証式
朝から体育館に差し込む朝日がきれいです。
さて、係や学級役員・委員会・生徒会執行部の活動は
後期に変わって、すでに動き始めていますが、本日は
正式に、認証書が校長先生から交付される日です。
各学級の正副室長と書記、各委員会の委員長の名前が、
前生徒会長から読み上げられます。
新しいリーダーたちは、元気な返事でそれに答えます。
生徒会担当の先生や学年主任の先生に呼名されるのも、
ちょっと厳かな感じがしていいのですが、前生徒会長が
呼名をするスタイルというのもまた、バトンが渡される
感じがして、これもまたいい雰囲気です。伝統ですね。
代表者が登壇し、校長先生から認証書が手渡されます。
受け取った生徒は認証書を胸に掲げ、ステージの前面へ
一人ずつ並んでいきます。とても誇らしげです。
全員揃ったころで、深々と一礼。…、かっこいい。
最後に校長先生から激励の言葉をいただき、晴れて認証
されました。これからの活躍に期待が高まります。
来週の月曜日には、早速生徒総会が開かれます。
どんな活動を計画してくるのか楽しみです。
未来への架け橋講座(拡大版)
今日は未来への架け橋講座を拡大版で行いました。
講師を務めてくださったのは、本校卒業生ではなく
お隣の中学校を卒業された武術太極拳の現役の選手
でもあり、パフォーマーでもあり、指導者でもある
『小田桐咲さん』というエネルギッシュな方でした。
隣に立っているのは、講演のアシスタントを務める
Kさんです。仲の良いご友人のようです。
講演会のスタートは、生徒の前に大きなスペースが
作られました。演舞を披露してくれるとのことです。
武術太極拳。カンフーと言えばわかるでしょうか。
小田桐さんが言うことには、最近の漫画でいうなら
「キングダム」の中の世界観が一番近いとか…。
我々の世代であれば「ブルース・リー」の世界です。
比較的最近では「ジャッキー・チェン」の世界です。
ところが、なんとなんと、今の生徒たちにとっては
生まれる前の世界だとのこと。腰が抜けそうです…。
演舞の様子です。カッコいいですね。いや、どちら
かというと、「美しい」という形容詞の方が似合い
そうですね。動きのしなやかさ、柔軟性、スピード、
流れるような技の切れ、そして身のこなし、瞬発力、
全日本チャンピオンの称号は伊達ではありません。
小田桐さんからレクチャーを受けた「キメ」のところ
で拍手が起こります。初めは、そのタイミングがわか
らずに戸惑っていた生徒たちも、だんだん慣れてきま
した。さすが、順応性とノリの抜群なコナ中生です。
演舞が終わり、本題のお話に入りました。演題は、
『点と線』です。この演題を耳にした、校長先生と
JMJ先生は「松本清張か?」と口を揃えてました。
松本清張は自身初となる長編推理小説「点と線」で、
大ブレークを果たし清張ブームを巻き起こしました。
小田桐さんにも、大ブレークの予感がします。
まずは、ご自分の自己紹介です。
スクリーンに顔と経歴が映し出されます。「あれ?」
綺麗な女性の写真です。もちろんご本人も素敵な方
なのですが、ちょっと違うような気もします…。
写真の女性は「武井咲」さんでした。「咲」つながり
のようです。「ネタ」だったんですね。
小さいころ中国で育ったことがきっかけで始める
ことになった武術太極拳のことや、中学校時代の
エピソード、生徒と同じぐらいだった頃の自分の
生活の様子などをサア~ッと語り、いよいよ本題。
スクリーンの中の2軸のグラフに、一つ目の「点」
が打たれます。それは、大学受験の失敗でした。
そして二つ目の「点」台湾留学。そこで目にした、
自分と同じ世代を生きる大学生たちの国政選挙に
対する「熱」。肌で感じた「帰属意識」と「アイ
デンティティ―」。次なる「点」は、フィリピン
へのインターンシップでの体験でした。そこでは
スモーキーマウンテンで暮らす、貧しい生活の中
で見せる「子供たちの満面の笑顔」を目にします。
「本当の幸せって何だろう」
「本当の豊かさって何だろう」
胸の内に芽生えた消えない疑問……。疑問が消え
ないまま就職した自分の中で大きくなる葛藤…。
グラフには次々と点が打たれていきます。
さらに「点」が次々と打たれ、「点」と「点」
がジグザグの「線」で結ばれます。
最後に、「stay hungry, stay foolish」という
スティーブ・ジョブズの言葉が紹介されました。
「貪欲であれ、愚か者であれ」という意味に翻訳
されます。私も好きな言葉です。私は後者の方を
勝手に「がむしゃら」とか「ひたむき」と解釈し
ています。もちろん「愚かしいほどに」ですが。
スティーブ・ジョブズは、有名なスピーチの中で
「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合
わせることはできません。できるのは後からつな
ぎ合わせることだけです。だから我々は今やって
いることがいずれ人生のどこかでつながって実を
結ぶだろうと信じるしかない。」
と語っています。
今日のグラフの中にはありませんでしたが、
小田桐さんは、人生のどこかでこの言葉と出会い
そこに「点」を打ってきたのだ。そう感じました。
私も、久しぶりにジョブズのスピーチを読み返し
てみました。
話は若干さかのぼりますが…、
「点と線」は松本清張ではなく、スティーブ・
ジョブズだったんですね。
生徒からもいくつか質問だ出されました。
「今までで一番うれしかったこと」
「自分のモチベーションをどうやってあげるか」
「両立するうえで大切なこと」
「勉強してきてよかったこと」
最後に、生徒を代表して新生徒会役員の1年生
M君がデビューを飾り感謝の言葉を述べました。
追伸
講演会が始まる50分前です。
黙々と体育館で体を動かす人物の姿がありました。
小田桐咲さんです。最高の演舞を見せるために、
息を切らし、汗だくになりながら、
ひたすら、リハーサルに挑んでいました。
見えないところでの生きる姿勢。見せない努力。
学ぶべきところがたくさんあります。
小田桐さん、本当にありがとうございました。
あどばる~ん講演会
今日は久しぶりに明るい日差しが爽やかに降り注ぐ
秋晴れの1日でした。急に色づき始めた木々の葉が
陽の光に照らされ、心地よい日和でした。
今年で10年目を迎える『未来への架け橋講座』を
記念すべく開催された『あどばる~ん講演会』が、
体育館で行われました。有名人の来校にテンション
が上がります。⤴
いよいよ始まります。テレビでしか見たことのない
実物の有名人に興味津々の生徒たちです。
つかみは、アドリブのような二人のやり取りです。
まずは、しっかり笑いを取ります。さすが…。
そしていつの間にか、本題の「夢」や「生き方」に
関わってくる話へと引き込まれていきます。
中学校卒業後すぐにでもお笑い芸人になりたかった
小野さんに対して、特にやりたいことなどなかった
新山さん。そんな二人がコンビを組んでお笑い芸人
になるまでのいきさつが、対照的に語られます。
中学生という時期、中学校という場所、仲間の存在
あの時の自分、あの時があるからこその今の自分、
今だからこそわかるあの時の自分…。
等身大、ありのまま、自分の言葉、まっすぐな思い、
少年のような心を失わずに、少しずつ背負ってきた
人生の垢を隠すことなく、時に笑いの中に含ませて
ざっくばらんに、それでいて熱く語る二人の姿には
「本当のカッコよさ」がにじんでいました。
内容が盛りだくさんで、すべてを紹介するなどとても
出来そうもありません。本当に、全然別々の考え方の
二人が、お互いの考え方や生き方を自分にないものを
もっている人間として尊敬しあっているのがわかります。
言葉の上では、互いにネタでいじり合いながらも、いや、
だからこそ、ストレートに伝わってきました。そして、
芸人としてのプライドとプロ意識も…。
生徒からも次々に質問が出されました。
「お笑い芸人を目指すことへの不安はなかったか」
「お笑い芸人になって良かったことは何か」
「お笑いで大事にしていることは何か」
「勉強以外で大切なことは何か」
「超能力ができるというのは本当か」などなど、
他にちょっときわどい質問までありましたが、真摯に
それぞれの言葉で、上手に伝えてくれました。
『大人への階段』のくだりは『秀逸』の一言に尽きます。
二人に共通しているところがあるとするならば、
二人とも学校が好きだというところでしょうか。
学校という場所が、かけがえのないものとして、
心の中に存在しているように思えました。
「面と向かって同じ世代の人間が集まれる場所」
社会に出てしまえば消え失せてしまう特別な環境
だから、貴重な時間なのだから一瞬一瞬を大切に
生きてほしい。…、力強い言葉でした。
どうやら、読書はした方がよさそうですね。
新山さんは『ソフィーの世界』を紹介してくれました。
小野さんは『アドラー心理学』の「課題の分離」に
ついて、説明してくださいました。
ソフィーの世界もファンタジー小説に位置付けられて
いますが、実際の内容はもはや「哲学」です。
二人とも、人生とまっすぐに向き合い、周りの人を
大切にして、笑いを追及しているんですね。きっと。
『人を笑わせる能力はないかもしれないけれど、挑戦
する能力にかんしては自分でも凄いと思う』
『不安は大きかったけれど、やらなければ後悔する
ことはわかっていたから挑戦できた』
『なんとかなる』
『もうちょっと楽に、自分に素直になっていい』
『まだ、夢を叶えたとは思っていない』
数々の言葉が胸に残りました…。
まじめに語っては笑いをとり、笑わせたかと思えば、
また、大切なことをさりげなく語りまじめる…。
二人でいるのに相手の話を大切にして、それでいて
突っ込んでみたりボケてみたり、いじりあったり…。
まじめな話をする自分たちを恥じらっているような、
なのに、胸の奥にある熱いものの噴出が止まらない。
あっという間の1時間でした。
そして、圧巻の60分でした。
本当にありがとうございました。
未来への架け橋講座①
お茶の間のテレビでは、秋篠宮眞子様と小室圭さんの
結婚会見も終わり、ワイドショーなどでその様子が、
繰り返し報道されている最中、小中野中図書室にある
大型テレビには、世紀の生中継の様子が映し出され、
これから始まる一大イベントに向けて緊張感が高まっ
てきているのがひしひしと伝わってきていました。
いよいよ、今年度第1回目の『未来への架け橋講座』
が始まります。『未来への架け橋講座』とはキャリア
教育の一環として、地域密着型コーディネーターと、
学校が協力して行っている取り組みです。地域で活躍
する先輩方を講師に招き、社会についての見識を広げ
職業観に刺激を与え、夢や希望・生き方などについて、
ちょっと掘り下げて考える機会にしたいと考え、取り
組んで今年で10年目になります。たぶん…。
記念すべき10年目の第1回目は、架け橋講座史上初、
オンラインにてライブ開催という形で行われました。
本日の講師を務めてくださるのは小中野五丁目に店舗を
構える「AMBER COFFEE」店主:佐々木祐季さんです。
実店舗からの生中継です。感染対策のためという目的も
ありましたが、店舗からの生中継の方がかえって臨場感
があるのではないかと、一石二鳥も三鳥も狙ってみたの
ですが、これが大当たりでした。
講演会は、まずは見てもらったほうがよいだろうという
ことで、実演から始まりました。初めにカウンターの中
に入ってカフェラテを作って見せてくださいました。
作り方を丁寧に説明しながら、最後は美しくラテアート
の実演です。スタジオ(図書室)では大きな歓声と共に
大きな拍手が沸き起こりました。スタジオのマイクを
切っていたのが残念なほどでした。続いて、場所を移し、
焙煎機のある方へ向かい、コーヒー豆を実際に焙煎して
いる様子も見せてくださいました。ライブの醍醐味です。
そして、講話が始まります。
現地リポーターの I 先生がインタビュアーになっての
対話形式での講話です。主な仕事の内容、この仕事を
始めたきっかけ、やりがい、大変なこと、中学生への
アドバイスなどのやり取りが続きます。佐々木さんの
話しぶりから、誠実な人柄が伝わってきます。でも、
とっても気さくな感じがするので、中学生も親近感を
覚えるのか前のめりになって聞いています。
続いて、質問タイムです。次々と手が上がります。
「コーヒー以外にやりたいことってありますか」
「豆は1か月どのくらい使うんですか」
「結婚はしていますか」「奥さんはきれいですか」
「奥さんとの出会いは?」
「豆は1キロどのくらいするのですか」
という、素朴な?疑問から
「お店のコンセプトは何ですか」
「接客で心掛けていることは何ですか」
「ラテアートのコツはありますか」
「やらかしちゃったことってありますか」
「働く上でのモチベーションはなんですか」
という、なかなか深い質問まで数多くありました。
一つ一つの質問に、まっすぐに耳を傾け、丁寧に
そして優しく答えてくださいました。
子供たちにとって本当に貴重な時間になりました。
子供たちからは、次のような感想が寄せられました。
「一杯のコーヒーを作るまでにあれほどの時間と手間
が掛かっていると知り驚きました。」
「中学生のうちに学ぶべきことを学んで、将来自分の
やりたい仕事をできるように頑張ろうと思いました。」
「お客様のことを第一に考えている気持ちが伝わって
きてすごいと思いました」
などなど、良い刺激、強い刺激を受けた生徒がとても
多かったと感じます。講演会が終わり、挨拶した後に
自然に沸き起こった拍手が、それを物語っています。
佐々木さんから中学生へのアドバイスの中にあった
「中学校での勉強や経験の中に、今の自分にとって
不必要なものは何一つなかった。皆さんにもいつか
わかる時が来ます。だから頑張ってください。」
という言葉が、大きなエールになりました。
学ぶということの意味に迷う子供たちもいます。
今はわからなくてもいい。いやわからないならば、
なおさら頑張ってほしい。いつかわかるその時まで。
きっとわかる時が来るから…。
多感な中学生時代を通り抜けた先の未来を経験した
身近な人の言葉であるだけに響きますね。
「AMBER」という言葉の意味を、英語の先生から
聞いたところ、「琥珀色の…」だそうです。
「なるほど!」ですね。ふと、井上陽水の歌声が、
耳の奥に流れたような気がします。
本当に素敵な講演会でした。
AMBER COFFEEの佐々木さん。途中、特別出演
してくださった奥様。従業員の皆様。お忙しい中
ご協力いただき、誠にありがとうございました。
〈中継生ライブ:スタッフ〉
現地リポーター兼中継スタッフ:INW先生
現地ディレクター:NNコーディネーター
スタジオ司会進行:TK先生
スタジオディレクター:NTコーディネーター
スタジオビデオカメラマン:JMJ先生
スタジオカメラマン記録:ST先生
アシスタントディレクター:OGW先生他
文化祭2日目
最終日は3学年のステージがメインになります。
初めに演劇を、次に学年合唱を披露します。
生徒会活動や部活動、学校行事をリードしてきた
3年生の集大成の場が、今日でした。
演劇『グッド・バイ・マイ…』
3年生の渾身の演劇のステージの幕が開きました。
我々オジサン世代にとっては、「グッバイマイ…」
ときたら、頭の中にはアン・ルイスの歌が流れます。
あれはあれで切ない歌ではあるのですが、こちらは、
かなり重いテーマです。「命」「運命」「選択」…。
生まれる前の世界が舞台となっているのですが、
すっかり、劇中の世界観の中に引き込まれました。
演出がとてもよかったですね。セリフがアレンジされ、
2021年10月17日、八戸市小中野に設定されています。
単純劇ではなく、ちょっとミュージカル風に演出され、
ラインダンサーズが、要所要所でラインダンス風に、
ときには、ストリート風に場面や内容に合わせて
場を和ませてくれたり、リアリティーを煽ったり、
白の使者と黒の使者がいるように、夏服と冬服で、
さりげなく世界観を創出したり、あえて私服だったり、
工夫を凝らしたダンスで、ストーリーを盛り上げます。
アイデアの多くは生徒だったそうです。すごい…。
そして、これがその舞台の様子です。
感動的でした。クォリティーの高さだけでなく、
主要なキャストの演技力はもちろん。脇の役の人も、
ダンサーズたちも、ナレーター、音響効果音、照明、
舞台道具、背景、衣装……、3年生全員が関わって、
みんなで作り上げた、みんなの思いがこもった演劇
だったからこそ感動は倍にもなったのだと思います。
本当に素晴らしかった…。
3学年合唱
演劇の勢いと余韻を残しての3年生の学年合唱です。
気持ちが入らないわけありませんね。これは歌う側、
ばかりではなく、聴くこちら側にとってもそうです。
なんというのでしょう。子供たちの思いがひとつに
まとまっている感が強くて、合唱コンクールで聞く
歌とはまた、まったく次元の違った空気感があって、
文化祭をやり遂げた充実感と、3年間の思いが凝縮
されて、最高学年として後輩たちへ形のないものを
残そうとする責任感や使命感のようなものを、強く
感じます。だから、かっこよかった…。
1曲目は「そよぐ風の中で」
2曲目は「あなたへ」
「愛と涙 あなたの手の温もり 人生という
迷路の果て 信じあえることの喜びと
悲しみを知った分 強くなれる … 」
体育館にこだまする歌声が、言葉が胸を打ちます。
青春の意味を 生きることの意味を、子供たちは、
歌の中にある通り、きっと、
この文化祭で、精一杯に人生を歩き続ける中で…、
「そして 知るでしょう…」
閉祭セレモニー
文化祭メイキングムービーが流れます。
文化祭週間の歩みを振り返りながら、
あらためて、この文化祭は全員の力で作り上げて
来たのだという思いを強くします。
自分の知らないところで頑張っている仲間がいた。
その思いが、チーム小中野をより強い集団へと、
成長させてくれます。一人一人の心の根っこを、
耕してくれます。肥料や空気や水、光となって。
みんなの視線がスクリーンに釘付けになっています。
メイキングムービーの後半の、係ごとの集合写真に、
胸を打たれました。そしてテーマソングが流れます。
スクリーンには、スライドと共に歌詞が映し出され、
全校生徒が一つになって、ドリカムの「何度でも」
を熱唱しました。でも歌う回数は「1回だけ」です。
さすがに、「何度でも」という訳にはいきません。
コロナ禍ですから…。
最後に、新生徒会役員から旧メンバーへ感謝が、
そして、旧生徒会役員から新メンバーへ引継が、
ステージ上でなされました。
「後期」メンバーへ「校旗」を手渡すという、
おやじチックなセレモニーに、ひとりニヤッと
させられました。取り外せるようになっていた
あの校旗の仕掛けの意味と、緑の手から赤の手
に貼り付け直された段取りの意味に気付いた時
なるほどと腑に落ち、わたしの「好奇」心も、
見事に満たされました。1年後は青の番だぞ!
というメッセージでもあるのでしょうね…。
閉祭セレモニーが終わり、体育館の暗幕が全て
開かれ、換気が行われました。その時です…。
昨日の雨模様。そしてこの日も朝からずっと、
どんよりと覆っていた雲の隙間から、日差しが、
本当に強い日差しが差し込んできました。
不思議な思いに包まれました。
文化祭の終わりはいつも夕暮れです。
文化祭が終わるころは、いつもあたりは薄暗い、
それが当たり前だったからというのもありますが
それ以上に、「生」の世界への扉を開いた感じ、
演劇の影響でしょうか『希望の光』に思えました。
文化祭という学校生活の中では「非日常」の活動は、
子供たちの様々な力を花開かせる大きなチャンスです。
「挑戦」の場であり「確認」の場でもあるからです。
「日常」では試せないことでも、「非日常」の中でなら
試すことができる。しかし、挑戦を裏付けるのは、まさに
ありふれた「日常」の中で積み上げてきた「今の自分」
にほかなりません。そして、「挑戦」が生み出した力が、
これからの「日常」の積み重ねの中で本物になっていく。
学校が成長できる場所であり続ける理由です。
学校って素敵なところだと心から思います。
生徒が帰ったあとの、昼下がりの校舎です。
太陽は、体育祭の頃よりも南に早く沈みます。
何かを終えた後、校舎の高い所に登り、遠くを
眺めることが、なんとなく好きになりました。
南には階上岳がゆったりと横になっていて、
月は東の空にぽっかりと浮かんでいます。
文化祭を終えた子供たちは、今頃何を思い、
そして、どんな思いで眠りにつくのだろう。
そんなことを思います。
今日の出来事や、今日にいたるまでの日々を
そっと、心の奥の思い出にしまいこむように、
静かに夜が更けていきます。