文化祭2022【ステージ発表②】

 いよいよ文化祭の花形「吹奏楽部」の登場です。

 演目③:『吹奏楽部ステージ』です。

 今年の吹奏楽部の3年生は、たった二人。
 その二人にとって、今日が現役生活最後の舞台と
 なります。その先には「引退」が待っています。
 部員数の減少、生徒会執行部の活動との両立。
 数々の苦難を乗り越えて、とうとうこの日を迎え
 ました。目一杯楽しんでほしいと願います。

 1曲目は、アンサンブル「騎馬の肖像」
 2曲目が、アンサンブル「四季の森」

 3曲目からは、いよいよバンド演奏が始まります。
 曲は「学園天国」。一気に会場に火が付きます。
 4曲目は「瞳をとじて」。英語のT先生が大好きな
 平井堅さんの名曲を、T先生がALTのJさんと
 熱唱しました。
 5曲目は「男はつらいよ」。M先生の熱演です。
 そして、今年もやってまいりました。
 6曲目に「笑点のテーマ」の登場でございます。
 先生方が今年も大喜利に挑戦しました。
 お題は「こなちゆう」であいうえお作文。
 もう一つが「ひいろお」であいうえお作文です。
 先生方も、みんな役者ですね。面白かった…。
 でも、生徒の反応が温かいというのが一番です。
 何より、吹奏楽の演奏がよかったからですね。
 7曲目が「上を向いて歩こう」
 言わずと知れた坂本九さんの名曲です。
 8曲目が「サザエさんアラカルト」。
 この日一番の盛り上がりだったかもしれません。
 サザエさんファミリーが登場しました。先生方の
 なりきり具合、振り切り方、ふり幅、お見事!

 9曲目がラストの曲で「新宝島」。
 ブラスバンドの定番ともいえる名曲です。
 振り付けも、最高にかっこよかった!!!
 そして、アンコール。
    選んだ曲は「CRT BABY」
 演出がよかったですね。司会、ソロパート…。
 みんなが目立つようにしっかり練られています。
 何より、10人しかいないということが
 信じられない演奏のクオリティーでした。
 充実の1時間をありがとうございます。

 前日祭を見ても感じたのですが、
 フロアで鑑賞する側の生徒も素敵でした。
 一生懸命に盛り上げようとしてくれます。
 自分が目立とうとするのではなく、
 ステージにいる仲間たちのために、
 文化祭を企画・運営してくれている生徒会の
 仲間たちのために、サクラと見まごうばかりの
 前のめり感が素敵でした。優しさと思いやり、
 あたたかさ、心のつながりを感じます。
 
 そして、舞台は午後へと続きます。


 演目④  演劇 『 ベ ン チ 』

 3年生の渾身の演劇のステージの幕が開きました。
 我々オジサン世代にとって、『ベンチ』ときたら、
 頭に流れるのは『青いベンチ』ぐらいでしょうか。
 本当は『白いブランコ』と言いたい所ですが…。
 でも今回の劇のベンチの色は「シルバー」です。
 まあ、色はどうでもいいですね。
 単純劇の王道を行くシンプルな設定です。大道具
 は、まさにベンチぐらい。あとは大きな背景1枚。
 だから場面も1つ。セットチェンジ無し。衣装も
 制服をそのまま着れる登場人物が4人いるので、
 作業服やスーツ。ほかに小道具少々。
 セリフ回しと、演技、そしてストーリ構成だけで
 登場人物の心理、心の変化を描いていく、挑戦的
 な作品であり、取り組みです。 

 ずっと昔から公園のベンチにたたずむ銅像。その
 銅像に話しかけると運が向くとか…。
 この公園を訪れる人々は、この銅像に悩みを打ち
 明けると、気持ちが楽になったり…。
 ある学校の生徒たちも、合唱コンクールに向けて
 悩みを抱え、すれ違いを続けているうちに、限界
 を迎え、ついにぶつかります。

 
 銅像の声が聞こえる人と、聞こえない人。
 そもそも、銅像の正体は?
 女子生徒たちは、どうなっていくのか。
 そして、銅像は最後にどうなってしまうのか。
 終盤に向けて、一気に好奇心が高まります。


   人と人が分かり合えない時って、
 どうしても自分のことをわかってほしいという
 抑えられない気持ちが勝ってしまう人間の性。
 けれども、伝える努力も、分かってあげる努力も
 どちらも、逃げてはいけないのだと教えられます。
 きっと、女子中学生の初々しいぶつかり合いが
 銅像さんの心を動かしたということ
 なのでことなのでしょうね。
 最後のシーンにじ~んとさせられました。
 本当に素晴らしかった…。 



 閉祭セレモニー

 文化祭メイキングムービーが流れます。
 文化祭週間の歩みを振り返りながら、
 あらためて、この文化祭は全員の力で作り上げて
 来たのだという思いを強くします。
 自分の知らないところで頑張っている仲間がいた。
 その思いが、チーム小中野をより強い集団へと、
 成長させてくれます。一人一人の心の根っこを、
 耕してくれます。肥料や空気や水、光となって。


 同時に、テーマソングが流れました。
 スクリーンには、スライドと共に歌詞が映し出され、
 全校生徒が一つになって、「SHISHAMO」の
  『明日も』の熱唱です。
 でも、全校で歌うのは「今日だけ」です。
 さすがに、「明日も」という訳にはいきません。
 コロナ禍ですから…。最初で最後の大合唱です。

 昼過ぎから、徐々に怪しさを増してきた雲が、
 演劇を終えたあたりから、雨脚を強くさせます。
 体育館の屋根にあたる雨音、屋根から滝のように
 落ちて犬走りをたたく雨粒。涙雨ですね。
 

 最後に、新生徒会役員から旧メンバーへ感謝が、
 そして、旧生徒会役員から新メンバーへ引継が、
 ステージ上でなされました。
 魂のバトンが受け継がれる瞬間です。
 3年生から2年生に「星」が手渡されます。
 「希望」と「伝統」の「思い」が凝縮された星を

 テーマ看板に、2年生の新生徒会役員が貼り付け
 ます。「緑」と「青」の星です。

 
 閉祭式も終わったあと、昼の鑑賞時間を短縮して
 午後のスタート時間を合わせたこともあり、
 もう一度、展示鑑賞の時間を設けました。
 ステージ発表をすべて終え、後はもう、片づける
 だけとなった展示教室を、子供たちは、なごりを
 惜しむように見て回っていました。印象的でした。
 このタイミングでの展示鑑賞もありかなと、
 いいもんだなと、ふと頭をかすめます。

 片付けも終わり、帰りの会をやっているころ、
 先ほどまで、強く降っていた雨もすっかりやんで
 青空までのぞいています。秋空は低く感じます。
 
 文化祭という学校生活の中では「非日常」の活動は、
 子供たちの様々な力を花開かせる大きなチャンスです。
 「挑戦」の場であり「確認」の場でもあるからです。
 「日常」では試せないことでも、「非日常」の中でなら
 試すことができる。しかし、挑戦を裏付けるのは、まさに
 ありふれた「日常」の中で積み上げてきた「今の自分」
 にほかなりません。そして、「挑戦」が生み出した力が、
 これからの「日常」の積み重ねの中で本物になっていく。
 学校が成長できる場所であり続ける理由です。
 学校って素敵なところだと心から思います。

 『Happiness』
 今年の文化祭テーマです。「幸福・幸運・喜び」
 みんなでつかみ取る喜び、みんなで勝ち取る幸せ
 展示もステージも、作る側と見る側が呼応し合う
 ように、共鳴し合うような一体感が素敵でした。
 紛れもなく、生徒一人一人が「HERO」
 なれた文化祭だった。心から、そう思います。
 本当に、お疲れさまでした。

2022/10/24 08:50 | この記事のURL