1学年校外学習『種差ウォーク』

 5月12日(木) 薄曇り

 前日に比べ少し雲がかかってはいますが、うっすらと
 晴れ間も広がる遠足日和です。朝は程よく涼しい。
 集合は、学校ではなくJR八戸線小中野駅です。
 駅の場所を知らなかったという生徒が案外いたことに
 驚きです。橋上の無人駅というのは、全国的に見ても
 おそらくそう多くないのではないかと思われます。

 集合時間の3分前には全員揃って点呼も完了です。
 8時07分発の下り列車に乗り込んで、いざ冒険の
 始まりです。一番、うきうきが止まらない時です。

 鮫駅で下車した一行は、鮫駅の象徴ともなっている、
 「ジョーズ」のところでいったん集合・点呼です。
 八戸線の下りの景色を車窓から眺めるのは、多くの
 生徒は初めてだったようですね。

 鮫駅を後にした一行は、徒歩で三陸トレイルの北の
 玄関口である、名勝「蕪島」へ向かいます。
 5月の蕪島は、菜の花で覆われているため、1年の
 中で最も爽やかな感じがします。

 鳥居をくぐって、神社を参拝します。それぞれ何を
 祈願しているのでしょう。気になるところではあり
 ますが、蕪島の守り神であるウにネコの爆撃を受け
 た生徒が2名ほどいたとか。ところが社務所にそれ
 を申告すると「開運証明書」を頂くことができると
 のことで、しっかりゲットしてきたようです。

 もう一人爆撃を受けた先生がいたらしいのですが
 被害に気付いたのは、この後、種差についてから
 だったらしく、残念ながら「開運」にこぎつける
 ことはできなかったみたいですね。お気の毒…。

 蕪島を後にした一行は、三陸トレイルを歩きます。
 が、とりあえずマリエント立ち寄って、トイレ
 休憩です。次なる目的地は、葦毛崎です。

 少しずつ遠くなっていく蕪島を、左手後ろ方向に
 見ながら、海岸沿いの道をひたすら歩きます。
 展望台からの景色も絶景ですが、それより何より
 ホロンバイルのソフトクリームは絶品です。
 みんなほっぺたが落ちそうになっています。

 甘いものを堪能し疲れを吹き飛ばして、すっかり
 元気を取り戻した一行は、次のチェックポイント
 となる白浜海水浴場へ向けて、出発です。
 まずは、中須賀海岸へと遊歩道を降りていきます。

 ローカル線が、走り抜ける景色もいいですね。
 中須賀海岸から大須賀海岸へと続く遊歩道は、
 きちんと整備されて、とてもきれいです。
 海と岩礁、そして砂浜と緑の草原。東山魁夷
 が描きたくなる気持ちがわかりますね。



 中須賀海岸を抜け、丘を一つ越えると、
 大きな砂浜が広がります。大須賀海岸です。
 この長い砂浜を歩き切るのが種差ウォークの
 山場でもあります。とっても歩きづらい…。


 しかし、生徒たちは果敢に挑みます。
 走り出すものあり、裸足になるものあり、
 なぜかズックを脱いで靴下で歩くものあり、
 そう、なんでもありです。無邪気さは、
 若者の特権です。大切なエネルギーです。


 やっとこさで、白浜海水浴場に到着した一行は、
 ここで再び休憩です。倒れこんでぐったりです。
 チャレンジウォークの醍醐味ですね。

 自分たちが歩いてきた延々と続く海岸線。沖には
 大きな貨物船がゆったりと航行しています。
 少しかすみがかった空と海の境目の水平線が、波に
 揺れているように見えます。時間の流れが少しだけ
 止まったような感覚に襲われます。風も心地いい。

 白浜漁港から、小さな岬を一つ越え、深久保漁港
 へと出てきます。ここから、名勝「淀の松原」の
 中へと進んでいきます。

 INW先生が、キメ顔をしています。いい顔です。
 道端には、ワラビやゼンマイ、ウドやコゴミが顔を
 のぞかせているでしょうか。お腹がすいてきます。

 こうもり穴の大岩のまえでパシャリ。そして、
 ゴール地点の種差海岸へたどり着きました。

 まずは、お昼御飯です。いつもの、
 全員前を向いて無言で食べる給食時間とは
 うってかわって、ちょっと楽しそうです。
 ウミネコにおかずを盗られた人もいたとか。

 ご飯を食べたら、お楽しみの自由時間です。
 今年の1年生は、ゴロゴロと寝転ぶ男子軍団と
 逆立ちにいそしむ体操系の女子軍団という構図
 が見受けられます。

 とにかく、みんなとっても楽しそうです。




 楽しかったひと時も過ぎ去り、帰る時間になりました。
 インフォメーションセンター前に集合です。
 昼にかけて、空の青さが増したように思います。
 天気に恵まれましたね。

 一行は、帰途につくべく種差海岸駅へと移動
 しました。風情のある駅です。
 ローカル線の旅の醍醐味を感じます。
 旅はこうでなくっちゃ。

 種差海岸駅から、電車に揺られ、車窓から見える
 八戸の良さを改めて堪能し、学校へと戻りました。

 帰校式では、各班の代表者による感想発表から
 始まり、学年主任の話で閉じられました。

 ・故郷の良さを実感すること。
 ・学級の協力・団結を深めること。

 二つの目的は、見事に達成されたようです。
 生徒の感想を受けた学年主任の話にもありました。
 事前に、たくさん調べて学習したこともたくさん
 あったけれど、実際にその場に行ってみて初めて
 感じることがたくさんあったようです。
 肌をかすめる海の風の感触、砂浜の表面と地中の
 温度の違い、砂浜の感覚、ウミネコのはばたく音、
 海の色の微妙な違い、遠くで見る波打ち際と、目
 の前に広がる波打ち際の迫力…。
 何もかもが、実際に足を運んで、目で見て、手で
 触れて、肌で感じてわかったことです。
 
 人生も、中学校生活も、きっと一緒です。
 やってみなければ、行動して見なければ、挑戦し
 てみなければ見えない景色がそこにはあります。
 
 いい経験、そしていい思い出になりました。



2022/05/13 16:00 | この記事のURL