未来への架け橋講座②

 11月11日(木) 曇天
 未来への架け橋講座の通常版2回目をホームグラウンド
 である図書室で行いました。
 講師を務めてくださるのは、地域にお住まいで、現在は
 「合同会社ふれ愛プラザあおば」で職業指導員として、
 活躍なさっている「向平利晃」さんです。
 
 「ふれ愛プラザあおば」は「就労継続支援B型事業所」
 にあたるらしく、いろいろな障害をお持ちの方を、支援
 している施設だそうです。障害はあるけれど働きたい。
 自分にできることは何かないか。利用される方々の思い
 に応えるかけがえのない仕事です。


 仕事内容は大きく3つに分かれ、簡単に言うと、
  ① 受託作業 … 一般の企業から委託された作業。
  ② お菓子作り … ケーキやシュークリーム作り。
  ③ 商品作成 … オリジナル商品の開発と制作。 
 という内容になるのだとか。

 利用者の方々は、障害によってこれはできるけどこれは
 できない。こういう作業は苦手だけれども、こんな作業
 なら得意である。というように、それぞれ特性をもって
 いる。だから、得意なものを伸ばすことで、苦手なもの
 を補い合えるのだそうです。

 生み出された作品をいくつか紹介してくださいました。
 「万年カレンダー」「流木を使ってのクリスマス飾り」
 「特注サイズのランチョンマット」そして、お店一番の
 ヒット商品だというヒバを使った消臭剤「ひばポンッ」
 などなど、数多くの作品を生み出しているとのこと。
 アイディアがすごいですね。それよりも何よりも…、
 作品を生み出すことへの「思い」に感動です。

 「こういうの作ってくれたらうれしいよね。」という、
 「人々の願いに応えたい」。応えることで「人の役に
 立つことができる」「地域に貢献できる」「人を喜ば
 せることができる」。その思いで取り組んでいるのだ
 という話を聞き、胸が熱くなりました。

 胸に染み入る話が多いのが印象的でした。利用者の方
 との心のつながりと、この仕事に対する誇りにも似た
 使命感からくるものだろうと感じました。


 「職業指導員をしていて、教えることよりも学ぶこと
  の方が多かった」
 「人間は見てきたもの、学んできたものでしかものを
  伝えられない。だから皆さんには、とにかくいろん
  なものに触れてほしい。見聞きしてほしい。経験し
  てほしい。学んでほしい。自分はそう思えるように
  なって、楽しいと思えるようになった。」
 「こういう仕事をしているからこそ、自分たちももっ
  と外に出ていかなければならない。多くの人を受け
  入れなければならない。」
 「町中を、障害を持っている人もそうでない人も、当
  たり前に普通に行き交っている。そういうのとって
  もよくないですか。」
 「春夏秋冬って素敵ですよね。春があるから秋の良さ
  が余計に感じられる。夏があるから、冬には冬の良
  さに余計に感動できる。辛い時があるから、喜びが
  より大きなものになる。」
   「出会いを大切にしてほしい。」

 数々の言葉が胸を打ちました。

 生徒たちも、すっかり聞き入ってしまって、質問タイ
 ムになっても、いつになく放心状態のようでした。
 少し間をおいて一人の生徒の「一日の平均利用者数は
 どれぐらいですか」という質問を皮切りにして、いつ
 もよりもさらに深まりのある質問が相次ぎました。
 
 リーフレットの表紙にある
 「ともに学び ともに笑い そして ともに生きる」
 そんな社会の実現を心から願います。
 そう感じさせてくださる1時間でした。

 
 本当にありがとうございました。

2021/11/11 09:00 | この記事のURL