体育祭(プログラム⑩~プログラム⑪)

 再び紅軍リードのままプログラムは続きます。
 種目は、トラック競技からフィールド競技へと
 変わります。1年生の団体種目です。

【プログラム⑩1年生学年団体種目】
【荒波を越えて行け!jump・jump・jump!】 


 「フライングカーペットとか「空飛ぶじゅうたん」
 とも言われる、体育祭でもよく目にする種目です。
 ということは、つまり面白いということ…。
 難易度が高く、団結力が試されます。
 コツ、作戦がものをいう、奥の深い種目です。

 スタートのフィールドの端から中央までを女子。
 そこで交代し、中央からゴールまでを男子が、
 リレー形式でつなぎます。
 号砲一挙、始まりました。

 練習では、何度やっても青軍の大勝でしたが、
 本番はスタートから紅軍がぐんぐん飛ばします。
 楽しそうに声を合わせて歌っています。
 団結力を感じさせます。いい雰囲気です。

 青軍は、予想外の展開に初めは慌てていましたが
 徐々に自分たちのペースをつかんで追い上げます。
 紅軍も必死に逃げます。

 最後まで逃げ切った紅軍が勝ちました。
 練習では歯が立たなかっただけに、
 紅軍の子どもたちは、心の底から喜んでいます。
 立ち尽くし、それを見つめる青軍の女子。
 勝者と敗者の明暗がくっきり分かれた瞬間です。



【プログラム⑪軍対抗綱引き】 

 いよいよ午前最後の種目となりました。
 スピードや俊敏さを競う競技の多い中、
 体育祭の中で唯一無二といっても過言ではない
 シンプルかつダイナミックなパワー競技、
 「ザ・綱引き」の時間がやってまいりました。

 男女別ではありますが、3学年が合同で挑む綱引きは、
 体育祭の中で、最も競技人数の多い種目でございます。
 入場門に揃った選手たちの数を見るにつけ、迫力満点。
 ワクワクします。私も綱引き大好きなんです。
 
 徒競走と技能走が終わった段階では、
 紅軍が18点リードしていました。その後、
 1年生の団体で紅軍が勝ちましたから、
 現在、紅軍が38点リードしていることになります。
 綱引きは、勝つと40点。負けても20点。
 青軍は、男女ともとらないと逆転できません。

 さて、先に戦うのは紅軍女子VS青軍女子。

 顔を、にこちゃんマークで隠してしまえば、
 もはや、男か女かわからないほどです。
 女を捨てる覚悟で臨んでいるのが伝わります。
 やっぱり体育祭はこうでなくては…。
 
 ルールは2本先取した方の勝ち。
 1ゲームの時間は30秒です。
 まず、1本目は青軍がとりました。
 陣地を交換します。2本目です。
 後がなくなった紅軍は、2本目は必至です。
 綱がなかなか動きませんでしたが、
 なんとか青軍が逃げ切りました。
 女の戦いは2-0で青軍の勝ちです。
 その差18点!!!
 
 続いて男の戦いが始まります。
 紅軍が勝って点差をつき離して折り返すのか
 青軍が勝って点差を逆転して折り返せるのか
 激しいバトルの始まりです。

 低い姿勢で構えます。気合が入っています。
 1本目は紅軍が意地で取りました。
 2本目は青軍が意地で取り返しました。
 この2試合を見る限り、力はまさに五分です。
 しかし2試合とも勝ったのは風下の野球場側です。
 そうなると、3本目を取るために重要になるのは、
 「どちらが風下を取ることができるか」です。
 
 団長同士のじゃんけんで決めることになりました。

 それぞれの軍の団長が中央に歩み寄ります。
 軍の色決めも最後は団長じゃんけんで決しました。
 この二人はきっとそういう運命にあるのでしょう。
 リベンジを誓う紅軍団長は鬼気迫る表情です。

 負けじと、青軍団長も戦闘の構えを取ります。
 互いに徐々に姿勢を低くし待ったなしの状態です。
 紅軍団長の姿は、まるで、仮面ライダー1号の
 本郷猛が、ショッカーと対決するときのようです。
 
 その時が来ました。「最初はグー、じゃんけん…」

 なんと、またしても「パー」と「グー」です。
 前回と全く同じ、『因縁の決まり手』です。
 紅軍団長S君の雪辱は叶いませんでした…。
 あまりの期待通りの結末に、個人的には
 この日一番の笑いをいただくことができました。
 パーで勝った相手に再びパーで挑んだO君。
 グーで負けた相手に再びグーで挑んだS君。
 究極の駆け引き、究極の心理戦です。
 1周回って結果おんなじだった的な見事な結末。
 団長二人には感謝です。感謝しかありません。
 これは、孫の代まで語り継げます。
 
 余談ではありますが、紅軍団長の構えから
 グーを出すまでの動きに特筆すべきポイントが…。
 本郷猛の構えでは、左構えですから左手が前です。
 これは、主に右利きの人の構えです。その場合、
 じゃんけんで突き出す手は通常右手です。
 彼は、右手を出すように見せかけて、
 そのまま左手を出すという、
 とてもトリッキーな技を仕掛けたのです。
 ところが、結果は残念ながらご覧のとおり…。

 念のため、選択権を得た青軍団長に聞いたところ、
 迷うことなく風下の野球場側を取りました。
 3本目、紅軍も粘りましたが、
 大方の予想通り、青軍が勝利を収めました。
 
 これで午前の部がすべて終了です。
 やっぱり綱引きは面白い!
 
 午前を終えての全ての結果が発表されました。
 

 紅軍…614点  青軍…616点

 とうとう青軍が逆転しました。
 しかし、近年まれにみる大混戦です。
 午後のスタートは、皆さんお楽しみ「応援合戦」。
 乞うご期待です。
 
 またまた、次に続きます…。
2021/08/31 12:00 | この記事のURL