未来への架け橋講座②拡大版(ジャズピアニスト)
2023/11/13 19:00
11月13日(月) くもり
10月下旬になっても夏日の日が続くなど、
各地にさまざまな記録を残してきた猛暑も、
どうやら引き際を心得たのでしょう、
この週末から一気に気温が下がり、天気予報にも
雪だるまのマークがチラホラと姿を現しました。
コナ中にも、今日からストーブに火が入りました。
さて、秋の深まりを跳び越え、
冬の到来を予感させる本日、本校体育館において、
未来への架け橋講座拡大版が開催されました。
今回のゲストティーチャーは、八戸市が生んだ
名ジャズピアニストの馬場葉子さんです。
本校校長先生の教え子さんだそうで、
その縁で、来てくださることになりました。
無粋な表現になりますが、
『超ラッキー…💛』という感じですね。
まずは、おもむろにピアノの前に座ります。
そして、オープニング演奏です。
弾いてくださった曲は『ルパン三世のテーマ』です。
もちろん、ジャズ風にアレンジして…。さすがです。
いきなりの『超ラッキー…💛』でした。
自己紹介代わりの演奏を終え、
自己紹介代わりの話題から始まります。
「ミュージシャンって、遠い人って感じしない?」
「でも、実際は普通にスーパーで5割引きを狙って
買っている」というエピソードトークです。
飾らない、等身大の気さくな人柄がにじみ出ています。
そして、ピアノを始めてからジャズと出会うまでの歩みが
語られました。決してピアノが上手ではなかったという、
子どもの頃の話。(※もちろん本人曰くです…。)
ピアノは好き、でもつまらない練習は嫌い。
そんな子供だったそうです。中学校で合唱部に入部し、
ピアノの伴奏者を務めた時に感じた人に伝えることの喜び。
高校で考えた将来の夢。立ちはだかる周囲の理解。
金銭的な問題。夢と現実と才能と可能性のはざまで、
諦めかけた時に、初めて気づいた諦められないものの存在。
「本当に好きなものはやめられない!」真っすぐな思い。
ふと我に返り、熱く語り沸騰しかけた熱を冷ますように、
2曲目を聞かせてくださいました。
ジャズのスタンダード「A列車で行こう」です。
学校の体育館にいることを忘れてしまいそうになります。
そして、続けて鍵盤ハーモニカを演奏し、
ルイアームストロングの「この素晴らしき世界」を演奏
してくださいました。が、これが凄かった…。
左手でピアノを演奏し、右手で鍵盤ハーモニカを操ります。
一人しかいないのに、まるでセッションでもしているかの
ような、不思議な空間がそこに生まれました。
さらに演奏してくださったのが、御自身が音楽監督を
つとめた映画「たゆたえども沈まず」のテーマです。
ここまでは、魅せる・聴かせる・楽しませる演奏でした。
しかしこの曲は、情熱的に曲の中に御自身が没頭していく
様々な思いが凝縮されて、メロディーとなって広がる…。
とっても素敵な演奏でした。
「自分の可能性は他人から決められるものではない。」
「ここが着地点じゃない。ここはゴールじゃない。」
「ゴールは決めるべきではない。」
「今できないから才能がないのではない。
努力が足りないか、まだそのタイミングでないだけ。」
「才能は途中で測れるものではない。」
「自分を信じてあげられるのは自分しかいない。」
「音楽は手段であり、パートナーです。」
「座右の銘は『チャレンジする』こと。」
「『3つのD(でも・どうせ・だって)』を思わない。」
「私はここで終わるつもりはない。」
「努力しないと到達できなことがたくさんある。」
演奏の合間に語られた多くのメッセージが心にしみます。
そんな風に生きてきた人間の語るまっすぐな言葉の重み。
情熱とその熱量に圧倒されました。
最後に、本校のあの厳かな校歌を
なんとジャズにアレンジしてきてくださいました。
いつもならアップテンポにアレンジするそうですが、
さすがに、コナ中校歌はバラード風に…。
質問タイムでは、生徒の質問や感想に対して
真摯に丁寧にお答えくださいました。
そして、生徒代表のお礼で、
この講演会は締めくくりとなりました。
会場が大きな拍手に包まれました…。
生徒からは、
「今日初めてジャズを聴き、演奏が心にしみました。」
「ジャズは楽譜がなく、ほぼアドリブで作ることに驚きました。」
「今がよくなくても、いつかできるようになる時が来る。
その言葉に将来の見方が変わりました。」
「私には夢があるので、3つのD(でも、だって、どうせ)
は使わず、夢をかなえたいと思いました。」
「誰に何と言われても、夢をかなえようとする馬場さんが
とても素敵だと思いました。」
「自分を信じてチャレンジするという言葉が響きました。」
などなどたくさんの素敵な感想が寄せられました。
「夢は多くの人に語るといい。恥ずかしがることはない。
そうすると、案外多くの人が助けてくれるよ。」
その言葉に、多くの人への感謝の思いが滲んでいます。
今の自分があるのは、自分の力だけではないのだと。
「伝えたい。」「表現したい。」
「私からピアノがなくなったら、心の中の呼吸ができなくなる。
感情がつまってつまって、息苦しくなる。」
『夢追人』
まさにそんな方でした。
素敵な講演会でした。
講師の馬場葉子さん。本当にありがとうございました。